将棋の藤井聡太棋聖と佐々木大地七段の対局はベトナム・ダナンの「ダナン三日月」で6月5日にヒューリック杯棋聖戦5番勝負第1局が開催されました。
両者どちらも海外での対局は初めて。
藤井聡太棋聖のタイトル防衛はどうだったでしょうか?
ヒューリック杯棋聖戦は5番勝負なのでどちらか先に3勝した方が勝ち。
佐々木大地7段が3勝すると、タイトルを獲得できます。
佐々木大地7段はタイトル戦の挑戦は初めて。
初戦は惜しくも藤井聡太棋聖に敗北してしまいました。
#藤井聡太 棋聖の勝利
【第94期ヒューリック杯 #棋聖戦 五番勝負第1局】
○藤井聡太棋聖 VS ●佐々木大地七段
第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局が、ベトナムの「ダナン三日月」にて行われ、藤井棋聖が113手で佐々木七段に勝ち、対戦成績を1勝0敗としました。 https://t.co/YF0n94sF7i
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) June 5, 2023
これまでの藤井聡太棋聖との勝負も、2勝2敗(6月5日の対局で2勝3敗)です。
第94期棋聖戦は5番勝負なので、あと4番の対局があります。
このあと、棋聖戦が4局と王位戦7番勝負が予定されていて、特に将棋ファンには楽しみが続きます。
まだまだ、これから!両者への期待は大きいと言えますね。
佐々木大地は長崎県対馬出身
さて、藤井聡太のタイトルに挑戦している佐々木大地は長崎県対馬の出身です。
藤井聡太棋聖と対戦するのが長崎出身だと聞いて、驚いた人も多かったのではないでしょうか?
将棋が好きな父と祖父が将棋をしているのを見て3歳で将棋を始め、小学生倉敷王将戦・低学年の部で優勝するほどの腕になりました。
対戦相手も少ない対馬で、それほどの将棋の腕をどこで培ったのかといえばインターネット対戦だったといいます。
小学生のころ棋士になりたいという夢をもった佐々木少年。
夢を叶えるには、家族全員で乗り切らなければならないハードルがありました。
棋士になるためのハードル
棋士になるためには、公益社団法人日本将棋連盟の奨励会に入会して4段に昇格しなければなりません。
奨励会はいわば将棋のプロ養成機関です。
プロ棋士になるための方法はいくつかありますが、佐々木家で選んだ道は?
奨励会に入会するためにプロ棋士の推薦をもらい、プロの師匠に弟子入りする。
佐々木大地7段の父は、同じく長崎出身のプロ棋士深浦康市九段へのつてをたどって、弟子にしてもらえるように頼み込んだのでした。
その上で、棋力や将来性を見たうえでやっと奨励会の入会試験の受験となるわけです。
受験年齢も19歳以下という条件もあります。
一家で横浜に移住の覚悟
プロ棋士の養成機関である奨励会に入会するには、定期的に東京か大阪にある将棋会館に通うことになります。
地方、それも対馬から通えるのか?
しかも、佐々木大地7段は9歳のときに「拡張型心筋症」を患い、死の危険さえあったほどです。
将棋が彼の気力を支えているといっても、プロとして勝ち抜くには思っている以上の精神力や体力がいる。
この大きなハードルをどうやって超えるか?
家族が下した決断は、対馬から通うのではなく奨励会に通える場所・横浜に引っ越すことでした。
心臓の病を持つ子供を一人で行かせられない、その思いもあり覚悟を決めたのでした。
佐々木少年が12歳のとき、一家で横浜に移住しています。
誰一人身寄りのない横浜への引っ越しは、当時52歳の父にとって覚悟の決断だったと思われます。
佐々木少年も父親の大きな覚悟を、しっかりと感じたことでしょう。
藤井聡太VS佐々木大地のこれからの対局
藤井聡太棋聖との対局はまだ1番が終わったばかり。
これから、第94期棋聖戦5番勝負の残り4番と第64期王位戦7番勝負の合計11番対局が予定されています。
第94期棋聖戦5番勝負の日程と場所
◆6/5(月)第1局 ダナン三日月(ベトナム・ダナン市)終了
◆6/23(金)第2局 ホテルニューアワジ(兵庫県洲本市)
◆7/3(月)第3局 沼津御用邸(静岡県沼津市)
◆7/18(火)第4局 高志の宿 高島屋(新潟市)
◆8/1(火)第5局 亀岳林 万松寺(名古屋市)
第64期王位戦7番勝負の日程と場所
◆7月7.8日第1局 愛知県豊田市(市能楽堂)
◆7月13.14日第2局 兵庫県神戸市(中の坊瑞苑)
◆7月25.26日第3局 北海道小樽市(銀鱗荘)
◆8月15.16日第4局 佐賀県嬉野市(和多屋別荘)
◆8月22.23日第5局 徳島県徳島市(渭水苑)
◆9月5.6日第6局 静岡県牧之原市(平田寺)
◆9月19.20日第7局 神奈川県箱根町(ホテル花月園)
王位戦は2日間ずつあるんですね。。
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初戦は黒星スタートとなってしまいましたが、気持ちを切り替えて挑戦してほしいですね。
まとめ
長崎の対馬出身の佐々木大地7段一家の横浜に移住は、大きなプレッシャーもあったはず。
家族の並々ならぬ覚悟と決意に、同じ長崎出身の深浦康市九段も心を打たれ門戸を開いたのでしょう。
地方出身者が挑戦できるように心を砕いた師匠のためにも、全力を尽くし今後の対局も乗り切ることでしょう。
ぜひ応援していきたいですね!
プレッシャーをはねのけ、対馬の地元の方々に挑戦を見ていただきたい。
その気持ちをずっと持ち続けて、粘りの将棋をしてほしい。
20代のフレッシュな戦いに目が離せませんね。
長崎県対馬出身のプロ棋士・佐々木大地のこれからの対局が楽しみです。